名寄市立病院医誌4巻1号:7〜10,1996.
 名寄市の委託により平成8年1月に市の骨粗鬆症検診に応募してきた30歳〜64歳(平均50.9歳)の女性100名についてpQCTにより橈骨骨密度を測定し、骨粗鬆症の判定を試みた。1)pQCTで測定された海綿骨密度と全骨密度の解離の見られる症例を認め、骨粗鬆症には海綿骨が主に減少する海綿骨タイプと皮質骨が主に減少する皮質骨タイプ、そしてその両方が減少する全骨タイプに分けることができる。2)pQCTによる骨粗鬆症判定は、主に全骨密度を用いて行った。全骨密度が-2.5SD以下の骨粗鬆症20例、-1.5SD以下で-2.5SD未満の骨量減少12例と全骨密度が-1.5SD未満で海綿骨密度が-2.5SD以下の海綿骨タイプ骨粗鬆症4例の計16例を要経過観察と判定、全骨密度が-1.5SD未満で海綿骨密度が-2.5SD未満の正常64例と判定した。3)若年者の場合は若年成人平均値の-2.5SD以上であってもZ scoreが0以下であればあるほど早期に骨粗鬆症に罹患する危険性があり、日常生活の注意も含めて薬物治療を考慮する必要がある。また、骨粗鬆症の予防という観点から若年者の検診は非常に重要であると考えられた。



(解説)当時の骨粗鬆症は全骨密度で椎体骨折の認めない場合で若年成人平均値の-2.5SD以下を骨粗鬆症と判定した。pQCTでは海綿骨と皮質骨を分離して測定できることから、本論文では海綿骨タイプ、皮質骨タイプ、全骨タイプとに分けたが、現在のところ学会でもそのようなことは言われていない。また、海綿骨が正常でも全骨密度が-2.5SD以下の皮質骨タイプ、海綿骨密度が-2.5SD以下でも全骨密度が正常範囲の海綿骨タイプということはあり得る。このことを海綿骨・皮質骨解離と述べた。pQCTが汎用されるに至っていないためと思う。
 平成7年度以降、毎年市で検診者を約100名募集して当院で骨粗鬆症検診を行っています。現在の考え方は骨粗鬆症検診の項を参照してください。 
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