名寄市立病院医誌3巻1号:75,1995.
 この写真は今年の2月11日に名寄市立病院から撮られた「天文字焼き」の写真(岡本晴運氏撮影)です。真冬の一夜を「天文字焼きと花火」で多くの患者さんに楽しんでいただけたと思います。
 市立病院の医療圏でもある名寄市を中心とする北・北海道の14の市町村を線で結ぶと「天」という文字ができあがります。まちおこしの中で、一つの町や村が競争するだけでなく連帯を持って地域として売り出そうという発想が入っています。平成元年にこのイベントがはじまりました。市内東側にある通称「太陽の丘」で2月の一番寒い時期に200mの「天」の火文字を燃やします。今年で7回目を迎えた「天文字焼き」はこの地域の連帯と繁栄、住民の健康や幸福を願う火祭りとして発展しています。当日は松明御輿が市内を練り歩き、「天文字焼き」の種火は観覧会場から若者のリレーで250人の市民の待つ太陽の丘に届けられます。実行委員長の点火にはじまり、書き順に従ってドラム缶に火がつけられ世界一の巨大な「天」の火文字が完成します。7回の歴史の中で、雨の日や吹雪の日もありました。街なかの市民には、「天」の文字が見えなくとも燃やす市民は感動に包まれます。昨年と今年は天候に恵まれ、山の上からは美しい夜空とまちのあかりに加えて打ち上げた花火を見ることができました。山を降りて駅前の観覧会場では勇壮な「天文字太鼓」や「北の天文字」という歌謡ショーにも参加できます。多くの方にぜひ一度この火祭りに参加して楽しんでもらいたいと思います。
 まだまだはじまったばかりのこのイベントが市民の理解や支援のもとに長く続き、百年もすれば立派な伝統文化になるように願って、これからも続けたいと思います。(北の天文字焼き実行委員長)

(解説)天文字焼きは平成の年号とともに回を重ねていきます。今年は第14回を無事終了したところです。環境に配慮をして、燃焼布と灯油から間伐材などの薪と灯油の量の減少化に成功していますが、その分火力が弱いことと、点火時間が短縮しています。試行錯誤しながら継続しているところです。
 名寄市の人口は2万4千人台です。今年のドラム缶の数は271個でした。人口をドラム缶数で割ると88.6になります。このことは1年に名寄市民271人が火をつけ88.6年かけて全員が参加できることになります。つまり一生に一度点火に参加していただければ、この火祭りは末永く続くことになります。
 天文字焼きの説明には、この文章の後に第10回を終えたときのものが道北地域研究所の所報「地域と住民」に書いてあります。   
戻る