地域と住民第15号:139〜142,1997.

フィンランド・ロバニエミとのかかわり

 1991年に名寄JC創立35周年記念事業ならびに名寄市開基90周年協賛事業として10年ぶりに第2回北方圏市民ジェットを実施することになりました。道教育大学教授の伊藤隆一先生のコーディネートで人口・風土・気候の似かよったフィンランドのロバニエミ市をはじめとする北欧の国々の冬の暮らしを視察してきました。ロバニエミ市は北緯66度30分、人口3万2千人、フィンランドの首都ヘルシンキから飛行機で北へ約1時間半のところにある北極圏の入り口の町です。名寄以上に寒く、名寄以上に雪の美しい町でした(写真1.2.)。ちょうど開催されていた国際雪像大会を視察することができました。南広場と同じくらいの会場で約3mの雪のブロックからつくられた雪像が十数基、どれも芸術的な作品ばかりでした(写真3.)。市民との交流会で名寄のミニ雪像を紹介して多くの質問を受けました。その中に、後に何度も名寄を訪れてくれた国際雪像競技会長のユハニ・リルバーグ氏がいました。ロバニエミ訪問のもう一つの収穫は、サンタランドのあることでした(写真4.)。

写真1 オウナスバーラ・ジャンプ台、今年の複合ジャンプ大会の開幕戦が行われました。
写真2 名寄と同じように二つの川(オウナスヨキとケミヨキ)の合流点にロバニミエ市は位置し、その大きな川は冬には凍り、その上をスノーモービルでトナカイ牧場に向かます。
写真3 雪像協議会会場、雪像は抽象部門、具象部門に分かれていて作品は芸術的なものばかりでした。 写真4 サンタ村では本物のサンタクロースが歓迎してくれます。サンタの膝に乗っているのはメンバーの藤田さん。
北海道フィンランド協会名寄支部の設立

 1991年7月にフィンランドから青少年約10名がフィンランド野球のペサパッロを通してスポーツ・文化交流を目的に北海道を訪れるので名寄でも対応してほしいと北海道フィンランド協会から依頼されました。その受け入れのため北方圏市民ジェトの参加者、JCの仲間が中心となって名寄支部をつくることになりました。そして約1週間のホームステイとアルバイト実習の受け入れ、ペサパッロの練習などをとおして交流を行いました(写真5.)。

写真5 スポーツ・文化交流を目的に10名の青年が来名。南広場では金髪の青年たちとぺサパッロというフィンランド野球をプレーしました。
北海道フィンランド協会名寄支部の活動

 北海道フィンランド協会本部に頼りにされ、いろいろな情報や依頼を受けることになりました。1992年と1995年にはフィンランド在住のピアニスト舘野泉さんのコンサートを引き受けることになりました。また、毎年秋口にペサッパロ札幌チームの遠征を受けることになり、1992年8月にはフィンランドで開催されたワールドカップに名寄から3名が参加することができました。同じく12月にはオリンピックのゴールドメダリストであるニッカネンのピヤシリジャンプ大会の受け入れも依頼されました(写真6.)。1993年2月にユハニ・リルバーグさんが名寄の雪質日本一フェスティバルを訪れ、ミニ雪像と天文字焼きを楽しんでくれました。また「世界の雪像競技会」という題で講演していただき、今後の名寄での世界大会開催の可能性を考えるきっかけとなりました。残念ながら名寄ではいまだに開催されず一昨年東川に先を越されることになりました。
 しかし1994年から前年の名寄の雪像競技会の優勝チームをフィンランドの雪像競技会に派遣できるようになりました。1994年「大野組」はスエーデンのパヤラという町の雪像競技会に、1995年「言葉と聞こえの教室」はフィンランドのアハタリという町の雪像競技会に参加しました。そして、1996年の自衛隊の中林・宮本チームはロバニエミの大会で堂々の準優勝を獲得しました(写真7.)。これからも雪像競技会を続けて、さらに海外の雪像競技会に選手を派遣することは、ひいては名寄での国際雪像競技会の開催につながるものと期待しています。

写真6 ピヤシリジャンプ大会に出場したカルガリーのゴールドメダリストのニッカネン、残念ながらビッグジャンプは見られませんでした。 写真7 ロバニミエでの雪像大会で見事準優勝を受賞した「雪の華」という作品。
「もうすぐサンタがやってくる」というイベント

 私たちフィンランド協会の仲間は冬が来るとそろそろこのイベントをしなければとあせります。ロバニエミを訪れた後のクリスマスにサンタクロースからクリスマスカードが届きました。わが家にはサンタポストの住所録に娘の名前を書いてきたので娘の名前で届きました。それで、サンタさんにカードを送りましょうというキャンペーンをはじめることになりました。そして1992年から毎年12月の上旬にこのイベントを行うようになりました。一昨年までは名寄親林館の前に大きなクリスマスツリーをイルミネーションで飾り、館内には留辺蘂の伊藤英二先生の製作した「木夢の島」というクリスマスもストーリーに入っている木のおもちゃがいっぱい飾られます。昨年の会場は新しくできた北国博物館で12月14〜15日に行いました(写真8.)。会場では木のおもちゃがいっぱい飾られ、サンタさんと記念撮影(写真9.)したりロバニエミのサンタさんにクリスマスカードを送ったり、ポッケトママや短大松岡ゼミの学生による人形劇やクリスマススペシャルバンドによる音楽会(写真10.)を楽しんだり、手づくり教室として木のクリスマスツリーやリースをつくるなど多くの催し物を行っています。これからも多くの仲間とともにこの楽しいイベントを続けていきたいと思います。

写真8 北国博物館前のクリスマスツリー(博物館はロバニエミ市の北極圏センターを参考にしています)。
写真9 応援に駆けつけてくれたセイヤ・サンタ(札幌在住のフィンランド女性で名寄には何度も来てくれて、フィンランド料理教室で教えてくれたこともあります)。木のおもちゃの中でサンタさんと記念撮影。
写真10 おもちゃの中の音楽会、フィンランドの弦楽器カンテレを演奏してくれたフィンランド協会の荒さん。
おわりに

 フィンランドのロバニエミ市は先に述べたとおり、名寄市と非常によく似たまちです。そのほかにもラップランド大学、北極圏センターなどもあります。
ロバニエミにはフィン・日協会があり、その会長は現在ユハニ・リルバーグさんであることも私たちにとって心強いことです。97年1月に名寄の幼稚園の先生4人が北欧を視察に行って戻ってきました。ロバニエミにも立ち寄ってお世話になったようです。91年の私たち北方圏市民ジェットのメンバーは19名でした。その後、亡くなった前短大学長の小関先生ほか前図書館長の山田さん、北国博物館の鈴木さん、ペサパッロワールドカップで訪れた市職員の石橋さん、松沢さん、雪像競技会に参加した各チームのメンバーならびに支援のため同行したJCメンバーなど、遠くてなかなか行けないところと思っていたのがうそのようです。ヘルシンキまでは飛行機で10時間をきるようになったようです。これからもフィンランド、とりわけロバニエミには注目して、交流の一端を担えれば幸いと考えています。

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